【保存版】60代からのFX投資。シニアが知っておきたい大切なこと|税金と社会保険の守り方

目次

FXの税金は「12月31日の決済済み利益」で決まる

まず、大前提となるルールの整理です。

  • 課税対象: 1月1日から12月31日までに決済(確定)した損益。
  • 含み損益はスルー: まだ持っているポジション(未決済)の含み損や含み益には、その年の税金はかかりません。
  • 税率: 利益に対して一律 20.315%(※所得税等15.315% + 住民税5%)

FXの税金は「含み損」を無視する?年末に知らないと損する「確定利益」の罠

「口座残高」と「税金」が一致しない恐怖

実は、税務署が見ているのは「増えた資産」ではありません

  • 税務署が見るもの: 「決済(利益確定)」して確定した金額だけ。
  • 税務署が無視するもの: まだ決済していない未決済ポジション「含み益/損」。

「自分の資産が1年でいくら増えたかに対して税金がかかる」のではないのです!このズレが、年末に「想定外の税金」を招く原因になります。実質そんなに儲かってないのに、なんで~~!?ってなります(T_T)

そもそも確定申告は必要?

「収入」と「所得」の違い

FXの利益について考えるとき、まず「収入」と「所得」を分けて考える必要があります。

  • 収入(売上):FXで決済して確定した利益の合計額です。
  • 所得(利益):上記の「収入」から、取引にかかった「必要経費」(ネット代や勉強のための書籍代など)を差し引いた、最終的な手残りのことです。

この「所得(手残り)」の金額によって、申告が必要かどうかが決まります!

1. 会社員やパートなど「給与所得」がある方

FXなどの所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。

★注意したい落とし穴 利益が20万円以下でも、医療費控除やふるさと納税の申告などで確定申告を少しでも行う人は、FXの所得が1円であっても合算して申告するルールになっています!

2. 自営業や専業主婦(夫)など、「給与所得」がない方

FX等を含む所得合計額が年間48万円(基礎控除額)を超えると、確定申告が必要になります。

★注意したい落とし穴 「所得が48万円以下なら確定申告は不要」ですが、それはあくまで「税金(所得税)」のお話です。

家族の扶養に入っている場合、社会保険(健康保険)のルールは全く別なので注意が必要です!

  • 130万円の壁: 多くの健康保険組合では、年間の収入(所得)が130万円を超えると扶養から外れるルールがあります。
  • シニア世代は要チェック!】: 実は60歳以上の方などは、この扶養の基準が「180万円」に緩和される特例があるんです!※この「180万円の特例」についての詳細は、あとの章で詳しくまとめています♪
  • 申告義務: 税金の確定申告をしなくても、ご家族の勤務先を通じて「現在の収入状況」を報告する義務があります。FXの利益が出ている場合、それを隠して扶養に入り続けることはできません。
  • 組合ごとのルール: 組合によっては「FXの利益は経費を認めない(売上=収入とみなす)」といった厳しいルールがある場合も……。

「税務署に言わなければ大丈夫」と安易に考えず、ご家族が加入している健康保険組合のルールを一度チェックしておくのが安心ですね!

「少額だから自分には関係ない」と思い込んでいると、思わぬところで申告漏れになってしまうかもしれないので、注意しておきたいポイントですね。

結局、いくらを超えると「損」や「義務」が出るの?

いろいろな数字が出てきて混乱しがちですが、気にするポイントと金額は「ご自身の今の立場」と「所得税にかかわる48万円または20万円(給与所得有の方)扶養の130万円(特例180万円もあります)」です。

1. 家族の扶養に入っていない人(国民健康保険などの人)

  • 48万円の壁:FXなどの所得(利益ー経費)が年間48万円を超えると、所得税の確定申告が必須です。
  • 注意点:申告することで所得が確定し、翌年の国民健康保険料や介護保険料が上がる可能性があります。

2. 家族の扶養に入っている人

  • 48万円の壁:(他に収入がない場合)所得が48万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。
  •       ※パートなどの給与所得がある方は、FXの所得が「20万円」を超えると確定申告が必要です。
  • 130万円の壁:社会保険(健康保険)の扶養にとどまれるかは、一般的に年収130万円が基準です。これを下回っていれば、基本的には扶養に入り続けられます。
  • ※特例:60歳以上、または障害のある方は、年収が「180万円」まで認められます。
  • 注意!:年金をもらっている方は「年金収入 + FXの利益」の合計で年収が180万円未満である必要があります。年収は所得とは違いますので混乱のないようにしたいですね。年金収入とは総支給額のことです!
  • 注意点:税金の申告が不要な範囲であっても、ご家族の勤務先(健保組合)には収入を正しく報告する義務があります。「内緒で扶養」はトラブルの元なので注意しましょう!

※注住民税の基礎控除は一般的に43万円です。所得が43万円〜48万円の間の方は、所得税の申告は不要でも住民税の申告が必要になります。その場合は、お住まいの市区町村の役所(住民税窓口)に届けます。住民税の支払いは所得税より少し遅く、「翌年の6月以降」です。納付書で支払う方法と年金から天引きの方法があるようです。FXでしっかり利益が出た年は、税金分の金額(所得税や住民税の分)も考えておくと安心ですね♪

扶養の基準(130万円 vs 180万円)比較表

スクロールできます
項目一般的な扶養の壁60歳以上の特例の壁
対象者60歳未満の方60歳以上、または障害のある方
年収の基準年間130万円未満年間180万円未満
判定に使う数字所得ではなく「総収入(額面)
額面:給与収入∔FX確定利益等の合計額
所得ではなく「総収入(額面)
額面:年金(総支給額)+FX確定利益等の合計額

【深掘り】FXの利益が「社会保険料」を跳ね上げる仕組み

先ほどお伝えした通り、FXの利益を確定申告すると、その数字はご自身の「合計所得金額」に加算されます。

これが何を意味するかというと、「翌年の健康保険料の請求額が決まるベースの数字」が大きくなってしまうということです

特に国民健康保険は、前年の所得に基づいて計算されるため、年末に「損出し」をせず、含み損を抱えたまま大きな確定利益だけを放置してしまうと、以下のような「ダブルパンチ」を食らうことになりかねません。

  • 税金の支払い:確定利益の約20%を持っていかれる
  • 保険料の増額:所得が増えたとみなされ、翌年の保険料ランクが上がってしまう

「手取り」を削り取られないための防衛策

例えば、年間160万円の利益(収入)を出したとします。 他に収入がない前提で、40万円の含み損があります。この40万円の含み損を放置して年を越すと、収入は160万円のままカウントされ、翌年の保険料にのしかかってくる可能性があります。

しかし、年末に「損出し」をして120万円に抑えることができればどうでしょうか?

  1. 一般の方の「130万円の壁」をクリア!
  2. 60歳以上の方の「180万円の壁」も余裕でクリア!

このように他に収入がない場合、120万円まで下げておくことで、どちらの立場の人であっても、税金だけでなく「保険料」の増額まで食い止められる可能性がぐっと高まるのです。

特に私のようなリタイア前後の世代にとって、この「社会保険料への影響」は死活問題。 「利益は出ているのに、保険料を引いたら手元にほとんど残らない……」なんて悲劇を避けるためにも、年末の損出し判断は必須のテクニックと言えそうです。

ただし、損なんてなくて利益だけしかない、ばりばり稼いでいる人には該当しない話ではあります。あくまでも未決済の損があるなら、という話です(^-^;

FX収入の「在職老齢年金」や「医療費自己負担」への影響

FXの利益は、税金の区分では「雑所得」にあたります。これは給与などとは分けて計算する「申告分離課税」というルールが適用されるため、働いて年金をもらう際の「支給停止(在職老齢年金)」の判定基準には一切含まれません。年金カットを気にせず、安心して資産を増やせますね♪

「老齢年金」と「在職老齢年金」の関係

  • 老齢年金: 本来受け取れるはずの年金額のことです。
  • 在職老齢年金: 60歳以降も会社員として働きながら年金をもらう場合、給料と年金の合計額が基準を超えると、「老齢年金の一部(または全部)がカットされる仕組み」のことです。在職老齢年金のルールを適用した後の年金受給額」が、ご自身の「年金(額面)」となります。

ですが、FXの利益に関しては、いくら稼いでも年金そのものがカットされることはありません

ただし!ここで前述した「収入の壁」に注意が必要です。

  • 年金額には影響しない:FXの利益は「お給料」ではないため、在職老齢年金の判定には含まれません。
  • 社会保険の扶養には影響する:前述の通り、「年金(額面)*+ FXの利益」が180万円を超えると、家族の扶養から外れてしまいます。
  • *「年金(額面)」とは、在職老齢年金のルールを適用した後の年金総支給額です。

つまり、「年金は総支給額分もらえるけれど、自分で健康保険料や介護保険料を払わなければならなくなる」という壁があるのです。

「年金が減らないから大丈夫」とだけ考えるのではなく、この180万円という合計収入の壁を意識して、賢く損出しを活用していきたいですね♪

医療費については、70代になると所得の合計額次第で病院の窓口負担が3割になる『壁』もあるようです。

FXを長く続けるなら、損出しで所得をコントロールする技術は一生モノのスキルになるかもです!

年末に損を決定して税金を減らした方がいい?

〈比較〉損出しをする人 vs しない人

例えば、以下のような運用状況だった場合をシミュレーションしてみます。

  • 確定した利益: +100,000円
  • 現在の含み損: -30,000円
  • 実質的なプラス: +70,000円(10万 - 3万)
スクロールできます
項目A:そのまま年越しB:年末に3万円分「損出し」
税務上の利益100,000円に対して課税70,000円に対して課税
支払う税金 (約20%)約20,000円約14,000円
手元に残る現金50,000円(実質7万-税2万)56,000円(実質7万-税1.4万)

このように、「損出し」をしないだけで、手元から6,000円も多く現金が消えてしまうのです。含み損があるのに確定利益にだけ課税されるのは、実質的に「まだ手にしていない利益」に対して税金を払っているようなものです。ただ、年を越して含み損が爆益に変わっていく未来もないわけではないので、社会保険料への影響も考慮の上、ご自身の判断が大切になります。

自動売買(iサイクル2)ならではの罠

特にFX自動売買は、利益を細かく積み上げる一方で、含み損を抱えながら相場の反転を待つ仕組みです。

  • 日々「利益確定」の通知が来ると、順調に稼いでいる気分になる。
  • しかし、裏側では「含み損」もしっかり成長していることもある。
  • 結果: 年末、口座の実質残高はそれほど増えていないのに、通知で届いた「確定利益の合計」に対して容赦なく税金がかかる。

「言われれば当たり前」のことですが、これを意識して年末に「あえて負けを確定させる(損出し)」という行動ができるかどうか、ということもとても大切になってきますね。

自分のお金を守れるのは、自分だけ!ですから。

年末の「実質損益」を確認することが大事!

ご自身の以下の2つの金額を比べてみてください。

  1. 累計確定損益(今年1年間の損益合計)
  2. 評価損益(未決済ポジションの損益合計)*含み益のこともありますが、この場合はとして考えてください。

もし実質損益(「1」と「2」の差額)がマイナスに大きく膨らんでいるなら、そのまま年を越すと「税金の払い損」になるかもしれません。

損出しした際の節税額がわかる!「カンタン計算式」

下記は、年末に「損出し」をすべきか判断するための数式です。

(損切りする含み損の額) × 20.315% = 節税できる金額

この「節税できる金額」が、以下のコストを上回るなら、損出しをする価値があるかもしれません。

  1. 往復の手数料・スプレッド(ポジションを持ち直す際のコスト)
  2. スリッページ(注文価格と実際の約定価格のズレ)
  3. 設定の手間と心理的な負担

*これは確定利益にかかる税金を減らす金額であり、税金総額ではありません。

2025年の取引締切日はいつ?

FXの税金は「約定日ベース(取引が成立した日)」で計算されるのが一般的です。

  • 2025年の最終取引日: 12月31日(水)(2026年1月1日の早朝7時頃まで)
  • 注意点: 年末は市場が早く閉まることや、メンテナンス時間が変則的になることがあります。余裕を持って12月30日までには方針を決めておきたいですね。

ご参考:外為オンラインのスケジュールはこちら


自動売買(iサイクル2)で損出しをする時に注意したいこと

節税のために無理に決済して、運用のリズムを崩しては本末転倒です。

以下の2点に注意するとよいと思います。

  • トレンド設定の維持: iサイクル2は移動平均線(SMA)でトレンドを判断しています。損切り後に新たに稼働させてポジションを持ち直す際、現在のトレンド設定(買い・売り)が相場と合っているか再確認が必要です。
  • スリッページの考慮: 年末の薄商いでは、思わぬ価格で約定することもあります。稼働停止したときに想定より損が膨らまないよう、慎重な操作が求められます。

今年の私はどうする?

現在(12/25)の私の運用データを見ると:

  • 累計確定利益: 22,215円
  • 現在の含み損: -2,499円

この含み損を今すべて損切りしても、節税額は約500円程度です。この金額であれば、せっかくの「トレンド追随」の設定を崩してまでやり直すメリットは少ないと思います。

しかし、もしこれが「利益20万円超え、含み損5万円」といった規模になっていれば、約1万円が浮くわけですから損出ししたほうがお得かな?って考えちゃいますね。

最後に

この記事は来年以降の自分に対しての備忘録となるように書きました♪

年金、保険、税金、資産運用の損益、と考えることがたくさんあるし、それぞれが複雑に絡んでいます(@_@)

わたしのような素人主婦はほんとうに混乱します。ですので、自分に必要と思われる情報をいろいろ調べて整理してみました♪

まだまだ利益が出てないので、いまからこんなこと考えても仕方ないですけど、夢は大きく♪

来年はFXの税金を払うことになるくらい稼いで、こういうことを自分事として考えられるようになっていたいな~と思います(^^)

読んでくださっている皆様のお役にも立てるといいなあと思います。

追記:記事を書いている途中で相場が動き、私の含み損は一時的かもですが、解消されました!あと数日の営業日が残ってますが、今年はこのまま含み損なしでいくといいな~と思います(^^)

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免責事項

本記事は筆者の個人的な検証記録であり、特定の商品への投資を推奨・勧誘するものではありません。

FX取引は元本が保証されるものではなく、為替変動等により損失が生じるリスクがあります。

実際の投資判断にあたっては、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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